一般建設業の許可の要件「建設業法第7条の1」(建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者)について

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2023年12月30日

一般建設業の許可の要件「建設業法第7条の1」(建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者)について

 建設業許可を受けるための要件として、建設業法第7条には許可要件について、建設業法第8条には欠格要件についての条文があります。このうち、建設業法第7条の1には「建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること」と規定されています。本記事では、この内容について少し深堀りしてみましょう。まずは、その条文についてご確認ください。

【建設業法】
第7条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。

 それでは次に、この赤字部分の「国土交通省令で定める基準」というのは、具体的な内容はどこに記載されているのかと言いますと、建設業法施行規則第7条に「法第七条第一号の基準」に関する条文がありますので、そちらを見てみることにします。

第七条 法第七条第一号の国土交通省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 次のいずれかに該当するものであること。
 イ 常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者であること。
 (1)建設業に関し五年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
 (2)建設業に関し五年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)として経営業務を管理した経験を有する者
 (3)建設業に関し六年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する者
 ロ 常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者であつて、かつ、財務管理の業務経験(許可を受けている建設業者にあつては当該建設業者、許可を受けようとする建設業を営む者にあつては当該建設業を営む者における五年以上の建設業の業務経験に限る。以下このロにおいて同じ。)を有する者、労務管理の業務経験を有する者及び業務運営の業務経験を有する者を当該常勤役員等を直接に補佐する者としてそれぞれ置くものであること。
 (1)建設業に関し、二年以上役員等としての経験を有し、かつ、五年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者(財務管理、労務管理又は業務運営の業務を担当するものに限る。)としての経験を有する者
 (2)五年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し、二年以上役員等としての経験を有する者
 ハ 国土交通大臣がイ又はロに掲げるものと同等以上の経営体制を有すると認定したもの。

二 次のいずれにも該当する者であること。
 イ 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第三条第三項に規定する適用事業所に該当する全ての営業所に関し、健康保険法施行規則(大正十五年内務省令第三十六号)第十九条第一項の規定による届書を提出した者であること。
 ロ 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第六条第一項に規定する適用事業所に該当する全ての営業所に関し、厚生年金保険法施行規則(昭和二十九年厚生省令第三十七号)第十三条第一項の規定による届書を提出した者であること。
 ハ 雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第五条第一項に規定する適用事業の事業所に該当する全ての営業所に関し、雇用保険法施行規則(昭和五十年労働省令第三号)第百四十一条第一項の規定による届書を提出した者であること。

 読むのも若干嫌になってくるような条文ですが、よくよく内容を見てみると、第1号では「経営業務の管理責任者の要件」について、第2号では「適正な社会保険への加入」について記載されています。

 第1号のイは「個人」を経営業務の管理責任者とするための要件であり、(1)(2)(3)それぞれの一例として次のようなケースがあります。
(1)建設業の取締役や令3条使用人として5年以上の経験がある者
(2)取締役会設置会社の建設業担当執行役員として5年以上の経験がある者
(3)個人事業主である父親の経営業務全般について6年以上補助していた子
 第1号のロは「組織」を経営業務の管理責任者とするための要件となります。(1)(2)の一例として、次のようなケースがあります。
(1)建設業者で労務部門担当の執行役員を2年経験した後に、取締役を3年経験した者
(2)別業種の会社で取締役を3年経験した後に建設業者で取締役を2年経験した者
 第1号ハは、国土交通大臣がイ又はロに掲げるものと同等以上の経営体制を有するものと認定したもので、具体的には、海外の建設業者での役員経験を使用するケースなどが挙げられます。

 なお、条文を読む際、文言の意味がわからないと解釈に困る部分もありますので、文言の解説をいくつか記載しておきます。(北海道建設部建設政策局建設管理課「建設業許可の手引き」から抜粋)

○ 「業務を執行する社員」
  持分会社の業務を執行する社員

○ 「取締役」
  株式会社の取締役

○ 「執行役」
  指名委員会等設置会社の執行役

○ 「これらに準ずる者」
  法人格のある各種組合等の理事等をいい、執行役員、監査役、会計参与、監事及び事務局長等は原則として含まない(ただし、業務を執行する社員、取締役又は執行役に準ずる地位にあって建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等については、含まれる。)。

○ 「役員のうち常勤であるもの」
  原則として本社、本店等において休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している者がこれに該当する。
  なお、建築士事務所を管理する建築士、宅地建物取引業者の専任の宅地建物取引士等の他の法令で専任を要するものと重複する者は、専任を要する営業体及び場所が同一である場合を除き、「常勤であるもの」には該当しない。健康保険証のコピー(両面)等で確認。

○ 「建設業に関し」
  全ての建設業の種類をいい、業種毎の区別はせず、全ての建設業に関するものとして取り扱うこととする。

○ 「支配人」
  営業主に代わって、その営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をなす権限を有する使用人をいい、これに該当するか否かは、商業登記の有無を基準として判断する。

○ 「経営業務の管理責任者としての経験を有する者」
  業務を執行する社員、取締役、執行役若しくは法人格のある各種の組合等の理事等、個人の事業主又は支配人その他支店長、営業所長等営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、経営業務の執行等建設業の経営業務について総合的に管理した経験を有する者をいう。

○ 「経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)として経営業務を管理した経験」
  取締役会設置会社において、取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ、取締役会によって定められた業務執行方針に従って、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念した経験をいう。

○ 「経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験」
  経営業務の管理責任者に準ずる地位(業務を執行する社員、取締役、執行役若しくは法人格のある各種の組合等の理事等、個人の事業主又は支配人その他支店長、営業所長等営業取引上対外的に責任を有する地位に次ぐ職制上の地位における者)にあって、建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の調達、技術者及び技能者の配置、下請業者との契約の締結等の経営業務全般について、従事した経験をいう。

○ 「財務管理の業務経験」
  申請者における工事を施工するにあたって必要な資金の調達や施工中の資金繰りの管理、下請業者への代金の支払いなどに関する業務経験をいう。


○ 「労務管理の業務経験」
  申請者における社内や工事現場における勤怠の管理や社会保険関係の手続きに関する業務経験をいう。

○ 「業務運営の経験」
  申請者における会社の経営方針や運営方針を策定に関する業務経験をいう。

○ 「直接に補佐する」
  組織体系上及び実態上常勤役員等から直接指揮命令を受け、業務を行うことをいう。

○ 「役員等に次ぐ職制上の地位」
  申請者の社内の組織体系において役員等に次ぐ職制上の地位にある者をいい、必ずしも代表権を有することを要しない。なお、職制上の地位にあるかについては、提出された組織図などを確認することで行う。

 経営業務の管理責任者の要件については、判断が難しく、建設業許可を受けようか検討している方にとってはクリアしているかどうか非常に迷う部分もあると思います。

 当事務所では、しっかりと状況を聞き取りしたうえで、許可を受けることができるかどうかについてすみやかに回答いたします。
 建設業の許可を受けたいと思っている方、まずはご相談ください。

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